コラーゲンの働き

コラーゲンは全ての動物に存在するたんぱく質の一種で、人間のあらゆる臓器にもコラーゲンが含まれています。
人間の体は約20%がたんぱく質で、そのたんぱく質の3分の1をコラーゲンが占めています。コラーゲンをたくさん含んでいる臓器は皮膚、骨、軟骨、腱、血管壁などです。
コラーゲンは体の構成物質

コラーゲンは真皮の構造物
コラーゲンの主な働きは体や臓器を形作る構造材となっていることです。コラーゲンは水に溶けず繊維状または膜状態で細胞同士をくっつける接着剤として臓器そのものを形作っています。コラーゲンはさらに、骨や腱など強い力のかかる部分にも多く存在し、臓器や細胞をしっかりつなぎ止める足場のような働きもしています。
体の各部でコラーゲンが大事な役割を
- 皮膚
- 皮膚のコラーゲンは主にⅠ型コラーゲンです。コラーゲン全体の40%は皮膚に存在し、皮膚に弾力と柔軟性をもたらしています。
- 骨
- 骨にあるコラーゲンもⅠ型コラーゲンが中心です。骨の中でコラーゲンは骨の枠組みを作りリン酸カルシウム(ハイドロキシアパタイト)が接着剤として骨を形作っています。
- 軟骨
- 軟骨のコラーゲンはⅡ型コラーゲンが中心です。コラーゲン効果によって軟骨は細い繊維を作り、クッションのような働きをして関節にかかる力を吸収しています。
- 腱
- 腱にあるコラーゲンは主にⅠ型コラーゲンです。ロープのような構造を持つコラーゲン効果により、腱は引っ張る力に対して強く銅線と同等の強度があるといわれています。
- 血管壁
- 血管壁にはⅠ型コラーゲンと細い繊維状のⅡ型コラーゲン、さらに網目状のⅥ型コラーゲンが存在します。
コラーゲンは現在30種類以上見つかっています。コラーゲンの種類を表すときはローマ数字を使いⅠ型、Ⅱ型のように表します。
人間の体にはⅠ型コラーゲンが一番多く、らせん構造をとって皮膚や、骨、腱などの主成分として存在しています。このほか軟骨に多くあるⅡ型コラーゲン、血管を形作るⅢ型コラーゲンなどがあります。
コラーゲンは加齢によって減少

コラーゲンは加齢で減少
コラーゲンも他の臓器と同じように高齢化に従って新陳代謝が緩やかになっていきます。コラーゲンを作り出す能力は20代に比べると60代では30%以下に低下してしまいます。
新陳代謝が緩やかになると、コラーゲンも長く皮膚にとどまることになります。コラーゲンはその間に活性酸素などの攻撃で変性してしまい弾力性を失ったり、固く分解され難くなってしまいます。このような悪循環でさらに新陳代謝が遅れ皮膚の老化が進んでしまいます。
肌の二大成分はエイジングで減少
- 肌のコラーゲン
- 真皮の70~80%を占めるコラーゲンは、40歳をピークに減少していきます。
- 肌のヒアルロン酸
- ヒアルロン酸はお肌のみずみずしさを保ち、すぐれた保水力もつ物質です。ヒアルロン酸も年齢を重ねるに従って減少し、50代以降は急激に減少します。
真皮の70~80%をコラーゲンが占めています。高齢化などによってコラーゲンが減少すると真皮の細胞も減少してしまいます。さらに、コラーゲンによって支えられていたヒアルロン酸もコラーゲンと共に減少していきます。優れた保水性を持つヒアルロン酸は肌のハリや柔軟性を保つ大切な成分です。ヒアルロン酸が減少することで真皮がスカスカになり、シワやたるみの原因となります。